† 財産の所在・遺言書の保管・遺言執行者の選任など           ~トラブルを防ぐ遺言書づくりのポイント

¶ あいまいな表現は避ける。

 遺言はその内容に疑義があっても、遺言者本人が亡くなっているので、確認のしようがありません。だれに、なにを、どの程度遺すかは、はっきり書いておかなければなりません。

 遺言の日付も、平成○年○月吉日と書いたのでは、正確な日付がわからず無効となってしまいます。

 

¶ 財産の所在を明らかにしておく。

 財産目録をつくって、不動産や預貯金、現金、株式、債券、貴金属、美術品などが、どこにどれだけあるか、詳細に書き残しておきましょう。貸金庫などに預けてあるのならば、その保管場所や保管預かりの書面、鍵などの所在も明らかにしておきます。

 

¶ 遺言書の保管は信頼できる人に。

 遺言書を書いても、死後にその存在が明らかにならなければ、遺言書を残す意味がありません。破棄や隠匿、改変などのリスクもあります。最適なのは、自筆証書遺言や秘密証書遺言なら弁護士・行政書士などの信頼できる人に預けるか、銀行の貸金庫などに預けるとよいでしょう。公正証書遺言の場合も、その存在を弁護士・行政書士などにその存在を明らかにしておきます。

 

¶ 遺言執行者を決めておく。

 遺言執行者とは、遺言の内容を実行する人のことです。遺言執行者を定めておけば、遺言の内容にしたがって遺産を分けてくれ、相続人の相続手続きを容易にします。

 

¶ 遺言内容の変更は遺言でおこなう。

 以前に作成した遺言を撤回する場合には、遺言の方式に従って行わなければなりません。つまり、遺言書で撤回するのが原則です。

 遺言の撤回は、内容の一部だけでもできます。たとえば、「1億円を遺贈する」とあったものを5000万円に変更したければ「平成○年○月○日付け遺言中の『1億円を遺贈する』とあったものを『5000万円』に変更する」というように行います。